第9回水都大阪ウルトラマラニック100km<4>

今朝から熱も下がってきてほんの少しだけ楽になってきた。

這いずりながら最低限の仕事をこなしている状態。

やはり左の膝は階段の上り下りになると違和感がある。


フルマラソンの35km地点での痛みなら無理矢理走っても残り7kmほど。

100kmの35km地点ではまだ残り65km、簡単にはダメージ抜けないか。


~レポの続き~


河川敷を走っている間、結構な向かい風の時があった。

それが、

枚方向いている時も向かい風で

毛馬向いている時も向かい風なんだわ。

んじゃさ

スレ違いで走っているランナーはずっと追い風だったのかな(笑)


歩くと決めたくせに後ろが気になり始める。

周りも地獄の中を彷徨っている状態なので

抜いていくランナーは少ないがそれでも確実に抜いていかれる。


90km地点よりは少し手前ぐらいだったと思う。

後方からなにか感じたような気がして振り返ると

まだ遠くに豆つぶだけどランナーを確認することができる。

暫く歩き続けるも気になり振り返るを繰り返す。

そのランナーは見る度に一定のスピードで確実に近づいてきている。

徐々にウェアーの色が分かり輪郭がはっきりしてきて分かった。

T中さんだ!

確認できてからは一瞬で追い着いてこられた。

顔いっぱいの笑顔で「ほんまに90kmで追い着いたな~」って!


この人は本当に凄い。

この時点でこの笑顔と余裕度はマジすげぇ~。

(※スタート前に)

またもや情けなく泣き言を続ける僕に

もう少し頑張ればエイドがあるから一緒にと誘って下さる。

僕を連れていけば確実に遅くなるのに。

ゆっくりだけどなんとか走り出し前へ進む。

エイドのテントが見え始め近づくとこちらへ向かって走ってくる方が。

千里ランランクラブの方でまだ私設エイドを閉めてないとのこと。

是非KATSUさんもとお誘いを頂き運営のエイドをスルーして

千里ランランクラブエイドへ。


みなさんが見えた瞬間、全力で駆け寄り大ジャンプするT中さん!

ヤバイ!w

この人はやっぱ尋常な人間ではなかったと再確認したw


エイドに着くと知っている顔を発見し自然と笑顔になれる。

キャノンの女子の部で優勝経験のあるY佳ちゃんや

高槻ハーフの打ち上げでお会いしたことのある方がおられて

みなさん満面の笑顔で歓迎して下さった。

飲み物は?食べれるのか?体は大丈夫か?暑くないか?酒は?w

氷水を何度も頭や体にかけてくださったり、

顔拭きタオルをくれたり、

食べれないならゼリーを、

パピコもらったり、

本当に感謝とかそんなレベルじゃなくて。

みなさんの気持ちが優しさがただただ心から嬉しくて。

正直ここでみなさんに介抱してもらえてなかったら確実に倒れていた。

地獄から一片、凄く幸せを感じれた時間だった。


だったのよ。

本当に。

マジで。

T中さんのあの言葉を聞くまでは。


至れり尽くせりの最高級のおもてなしで癒されていた僕に

T中さんが満面の笑顔で言った。

「残り10kmちょっと走り切れば12時間切れるから行こうか!!」


え?


行ってくるわ!じゃなくて


行こうか!?


いやいやいやいや


そんなことはあり得ん・・・


幸せの絶頂から一気に現実に引き戻される。

無理だとダダを捏ねるもT中さんは笑顔のまま僕を見ている。

あぁ~これ・・・

首を縦に振るまで許されないパターンのやつ。

なんと、僕に選択権はなかったw


千里ランランクラブのみなさんの檄で立ち上がり送り出して頂く。

出発前にはY佳ちゃんから心のこもったハグ(笑)

汗だく塩まみれのどろどろで申し訳ないw


そしてここから信じられないことが起こる。


T中さんに引っ張ってもらうと全く動かなかった身体が前に進んで行く。

自分でも何が起こっているのか理解し難いくらいに。

それもそこそこのペースで走りながらお喋りが続く。

前にいるランナーを次々と抜いて行き

あっと言う間にあの毛馬エイドへ到着した!


ここで最後のエネルギー補給。

さっき貰ってずっと握りしめていたパピコを流し込む。

これで地獄の河川敷ともお別れ。

ここからは街中に入るので気分転換もできるからラスト行こう!と

T中さんに引っ張られエイドを出た。

残り6km半ほど。


さすがにもう話しながらは走れない。

それでも脚は絶対に止めない。

ここでも前にいるランナーをひたすら抜いて行く。

徐々にキツくなりいっぱいいっぱい。

かなり限界に近いが

世界のT中さんとガチで一緒に走れるなんてこんな贅沢な経験はない。

でも本当に限界間近でやばい。

最後に少しだけ歩行区間があるはずだからそこまで何とかと思うも

それが中々現れなくて

ここで弱音を吐いたらせっかく僕に合わせて引っ張ってもらっているのに

本当ならもっと早くにゴールされているはずなのに申し訳ない。

しかもスピードはどんどん上がっている感じ。

ずっと前に何キロも前に抜かれて

もう絶対に追いつくことはないと思っていたランナー達を

ごぼう抜きにしている。

95km以降の最高ラップは僕のアプリでは5分26秒だった。

やっとの思いで歩行区間へ辿り着いた時には

最後の最後の意地の残りカスを絞り出して

そこから更に絞り出してスッカラカンになっていた。


大阪城公園内に入ったら残り2kmとちょっと。

ここで最後の給水をしてゴールを目指すも空っぽ。

本当に申し訳なかったけれどペースを落としてもらった。

落としてもらったけどもうなんにも残っていないので

ここからはマジでライフを削って進んだ。


ゴール地点を1度過ぎて天守閣まで行ってから戻ってくるわけだが

その間、ひたすら泣き言を言っていたと思う。。。

T中さんもよく我慢して付き合って下さっていたと思う。

(※ゴール地点を通過時)


そして遂に

レッドカーペットが見えて

やっと走ることをやめれるって。

ゴールできることが嬉しいとかじゃなく

100kmもの距離を走ったことに感動とかじゃなく

もう走らなくていいってこと。


レッドカーペットの中頃でT中さんにお願いした。

手を繋いでもらってもいいですかって。

一緒にゴールテープを切って欲しくて。

最高の瞬間を迎えた。

今まで色んなレースに出てきたけれど

始めてゴールした瞬間に「やったー!!!」と叫んだ。


もう1度言う。

走らなくてよくなって「やったー!!!!!」だからね(笑)

でもゴールしてからは、まだ地獄が待っていた。

とにかくしんどくて。

全く余裕なくて、正直救急車を呼んで欲しかった。

そのまま倒れたかったけど

これ以上迷惑はかけられないので必死に意地で耐えていた。


真っ暗になるまで長い時間パイプ椅子に座ってることで精一杯。

冷えるから着替えに行こうと促されて更衣室に行くも

シャツ1枚脱ぐだけで精一杯、凄い時間がかかる。

タオルを取り出すだけでも全力で挑まなければいけなかった。

それでも横で笑顔で話し続けていて下さって。

終わってからの軽食までずっと側に居てもらった。

僕は半分すら食べることができなかったけど。

本来ならたくさんのお仲間さんやお知り合いの方との交流もあるだろうに。

簡単には返せないほどの恩を頂いた。


T中さんとお別れして少し休んでいるとやっと動けるようになり

K房先輩・K田先輩お二人の元へ移動。

お二人も苦戦だったようだが無事に100kmを制覇されていた!

K房先輩は終盤復活し粘りの走りをされたようだ。

いつもならレース後はみんなで飲み食いの大騒ぎとなるのだが

さすがに100kmの後じゃ無理です(笑)

次回はゆるい大会で飲み食いしようと約束して大阪城を後にした。

K田先輩は電車待ちの間にビール飲んでたけどね!

僕はその横で午後ティーをちびちび舐めるのが精一杯w

器が違い過ぎる。

結局、K田先輩がいなければ時間までに会場にも着けなかったし

帰りも最小限のダメージで家路に着くことはできなかった。

実は前日受付も代行をお願いしていたのでおんぶにだっこ状態。

本当にありがとうございます。

今回、大袈裟ではなく周りのたくさんのみなさんに助けてもらいながら

今の自分があるんだなと心から思いました。

この感謝の気持ちを忘れることなくこれからも進んで行きたいです。


水都大阪ウルトラマラニック100km完踏

11時間49分07秒(グロス11時間49分11秒)


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