<レポ>第6回 山村都市交流の森 花背トレイルラン

運営よりリザルトが発表されました。

SコースはDNSの方が4人おられましたので当日レースに出たのは

男性15人・女性3人の計18人だけだったようです。

結果はDNFとなりましたが、僅か18人だけのレースに参加できたことは

とても貴重で良い経験になったと思います。


それではレース当日の様子を一気に振り返ってみたいと思います。

少し長めで泣き言を綴る内容となりますことをご了承ください。


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今から思えば全く余裕のない状態でした。


峨山道の疲労を上手く抜くことができずに殆ど走らず。

下半身の倦怠感により5kmのスロージョグで精一杯。

腰~背中にかけての痛みと両足底の痛み。

数日前からは顔の右半分に神経痛が出始めていました。

時間の経過とともにSコースに対する不安が募るばかり。

それでもストレッチや軽い筋トレで何とか動ける状態にはしました。


土曜日は仕事が暇だったこともあるのですが、

普段の大会前日なら絶対にしないであろう朝寝と昼寝をする始末。

なので夜は中々寝付けずで睡眠も少なめになってしまいました。

当日は早朝から何度もトイレに籠り正露丸だけでは手に負えず

ストッパの投入にまで至るコンディションでした。


現地に向かう途中で「京都市東北部クリーンセンター」前を通過します。

昨年の男祭りでは吐き気と戦いながらここを走っていたな~とか

今年はこの裏をトレイルで通過したんだな~とみんなのことを思い出し

不安を打ち消そうとしましたが、この日の不安は強敵でありまして

みんなの顔は吐き気と共に流されていきました。

現地に着いてからは視界に入る人たち全員が強者に見えます。

次第にスタッフまでがSコースの強者に見えてくるほどに

萎縮がどんどん進むアクセラレーター。

しばらくするとお知り合いの方たちが次々に到着されましたので

少しは落ち着けるかと思いましたがそれは表面だけだったようで

内面は更に加速したパニック状態でした。


ソフトフラスクに水分を入れれば、少ないかもと足したり多いかもと飲んだり。

それを何度か繰り返すと、次はシューズのフィッティングが気になりだして

何度も何度も紐を緩めては履き直す。挙句にはシューズ内でこむらがえり。

それがなんとか治まると、次はハムに違和感を感じて攣りそうになってくる。

たまたま痙攣防止のクリームを販売しているブースの横に居たこともあり

急遽ハムにクリームを塗ってマッサージをしてもらいました。

これらの全ての行動が普段ならあり得ないことですね。


そんなこんなでスタート前の開会式の時間になりまして外へ移動。

遠方から参加されているみかさんとはスタート10分前になんとか合流。

5分ほどお喋りをさせていただきスタート地点へ向かいました。


Sコースのスタートは他の部門より10分早い時間となっており

大勢の方に見送られながらのスタートとなります。

それは、

見るからに僕とは異質のオーラを纏った人たちの集まりでした。

なんかみんな凄いな~なんて、

スタート直前とは思えない変な感情でいました。


そしていよいよスタート。

最初は少し下り基調なためにスピードが出ていますが

300mも走れば充分に理解ができます。

自分がいま場違いなレースに出ているという現実を。


このスピードで走り続けるの???


ロードのレースかと思うスピードでした。

にも関わらず既にトップ集団は遥か遠くを走っています。


スタートしてから1.5km


たったの1.5kmでさしこみ痛が。

まさかのまさか。

2kmに達するまえに痛み止めを服用することになるとは。

そしてここでもう1つの違和感を覚えます。

バックパックの紐がゆるゆるで全くフィットしていない。

慌てて締めようとするも走りながらなので中々思うようにいかない。

もうなにをしているのか、全く走りに集中していませんでした。


約2kmから最初の急登に入ります。

かなりパンチのある急な登りです。

僅かに登っただけで両太腿と両脹脛がパンプアップ。

3km行くまでに既に終わってしまい動かすことすら困難な状態。

どんどん抜かれてあっと言う間に17番目。(18人中)


1つ前にはお知り合いのH川さんが走っておられました。

去年の峨山道の時も、序盤から動けず苦しんでいた時に

リズムを作ってくださり、その後を走り続けることができました。

今回も僕の前を走りながら何度も声をかけてくださいました。

登りが終わってからも脚が解れるまで引っ張ってもらい感謝しかありません。


5kmを過ぎた頃くらいでしょうか。

僕の身体が少し落ち着いてきたのを感じたのか

「先に行ってください」「まだ追いつけます!」

と送り出してくださいました。

そこからはスピードを上げて行くも、既に脚は終わっています。

下りではリズムにのれずコントロールに苦戦をしましたが

最終的には3人ほどには追い着き追い抜くことができたと思います。


第1関門まで残り5kmくらいのところで同じ位置を走っておられた

Sコースの方からこのままでは関門時間が厳しいことを教えていただき、

計算をしてみるとキロ7分で走りきらないといけないことが分かりました。

しかしながらここから3kmほどは下りが続きますので稼ぐことができます。

試走の時は4分17秒ほどで走っていましたので現状を考えても

キロ5分前後では走れるはずです。


徐々にスピードを上げそのまま下りきろうと思っていましたが、

早速やってきました!強烈なさしこみ痛が。

すぐさま痛み止めを服用しましたが全く効いてくれません。

1歩1歩が激痛です。

さしこみのある方ならご理解いただけるかと思いますが

本当に大袈裟ではなく

横隔膜が千切れるのではないかと思うくらいの痛みです。


少しでも稼げるチャンスでしたが遂に脚を止めざるを得なくなりまして。

右の脇腹を押さえながら、止まっては走る、止まっては走るの繰り返し。

登りが苦手な僕ですが衝撃のない登りが待ち遠しく思えました。


下った所にあるエイドは時間が勿体無いのでスルーして登りに入ります。

スローペースではありますが衝撃によるさしこみの痛みがないために

なんとか走りながら登り続けることができました。

登りきったところには日本一を誇る三本杉がありまして、

その先には最難関である九十九折りの長い急登が始まります。

ここをクリアしないと21km地点の関門に到着することができません。


残り15分ほど。


この地点より少し前からショートコースのランナーさんたちと

合流しておりますので抜きながら進んでいる状態です。

ただ、ここからは狭いシングルコースとなります。

追い付く度に後ろから声をかけて道を譲っていただきました。

進めど進めど登りは終わらない。

なのに時間は凄い勢いで過ぎ去って行く。

もう前を向くこともできなくて、腰を曲げて足元を見ながら登る。

息遣いが荒くなっているので前方のランナーさんに近付くと

気が付いて道を譲ってくださいます。


「すいません」


「ありがとう」


「すいません」


「ありがと」


声を出すのも精一杯。


もう終わりか?もう終わりか?

と時折前を見ると高い位置にランナーが見える。

また足元を見つめながらひたすら進み続ける。

時計を見ると停止状態になっていた。

負の要素って重なるもんだな~と冷静な自分もいる。

現在の距離が分からなくなったので表示を時刻に変えておいた。

この時点で残り7分ほど。


まだまだ薄暗い山の中。

ぶっちゃけ天地が引っ繰り返っても関門には間に合わないが、

まだ関門時間は過ぎていない。ならば進む以外に選択肢はない。

あまりにも苦しくて一呼吸しようと顔を上げた時に目に入ったものは・・・

【まだこの先にキツイ登りあります!】的な看板。

ドS運営かよwww

「ざけんな・・・

と思わず悪態をついてしまった。

いやいやいや!

てめぇは試走しただろ!って話なんですけどね。


ショートコースのランナーさんを抜いて進んでいると

ありがたいことに声を掛けてくださる方が何人もおられます。


「すごい!がんばってください!」


「ありがと・・・

残り3分なんで・・・」


しばらく沈黙のあと、後方から聞こえたのは


「でも!がんばってください!」


胸から熱い物が込み上げてくるのを感じながら必死で進みました。

両脚がパンパンで重たくて足底に激痛が走り呼吸が精一杯で。

でもまだ進もうとする自分を客観的に不思議だと観察していました。


そしてまだ続く九十九折りの途中で12時30分の表示を見る。

タイムオーバー。

あとは休憩しながらぼちぼち進んで帰ればいい。


それでいいのに。


なんでだろう、まだ必死に進んでいた。

自分でもなにがしたいのかは分からないけど全力で進む以外になかった。

こんなことを続けたら来月からのロードの大会に支障がでる。

それと引き換えにするのか?何度も自問自答。

少しでもダメージを減らして今後に備えることが最善だろうに。

でも分からない。止まったら終わりってか、負けってか。

関門地点に到着して運営より終わりを告げてもらわないと終われない。

そんな感じだったのだろうか。

とりあえず関門までは全力で進み続けました。


チップを返却してからは4kmほどを下っていったのですが

途中で何度もショートコースの人たちから声をかけてもらいました。


「おぉ~スーパーコース!すごい!」


「ゴールドゼッケン!がんばれーー!」


こんな感じでお声をかけてくださり

本当にありがたく嬉しかったのですが。


すんません・・・

既に関門アウトで帰還中なんですw

とまぁ~こんな感じです。

はっきりと分かったことはスピードを要するレースの経験不足。

普段の山では全くスピードをだしてトレーニングをしていない。

全くもって歯が立たないわけです。

でも何が足りていないのかは明確にできたので良かったです。


ダメージについては僅か21kmでしたが

引き換えにしたものは大きいです。

左だけだった故障ですが右も再発して悪化させてしまいました。


足底の故障はもう付き合いが長いので、

少し休んだからといって治らないことも重々承知しています。

来月からのロードは現状では記録更新とは言いきれなくなりました。

しばらく様子を見ながらどうするか考えようと思います。


以上、花背トレイルランのレポでした。

長々とお付き合いありがとうございました。


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