春の京都一周トレイル改2023

「京都一周トレイル」と冠するものをなんどかやってきた。


伏見稲荷から嵐山までの京都一周トレイルに始まり 

伏見桃山から上桂までの京都一周トレイル完全版

伏見稲荷to伏見稲荷の京都一周トレイルオリジナルート


そして今回挑戦してきたのは「京都一周トレイル改」

伏見稲荷から時計周りで大文字山まで京都一周を進み

大文字山から山科一周(ヤマイチ)ルートに突入して

如意ヶ岳、音羽山、千頭岳などを経由し伏見稲荷に戻るもの。

グルっと囲う京都の範囲を更に広げたわけだ。

当初は普通にオリジナルートで京一をするつもりでいたが

ある連絡をいただいたことから大きく脱線した笑


それは補給の要であるファミマ「大原三千院店」の営業時間。

いままでは24時間営業だったが6時~23時に短縮されたとのこと。

例え他のコンビニが閉店したとしてもなんとかなるわけだが

大原三千院店だけは困る笑

6時のオープンに合わせるにはスタート時間が遅くなり

23時の閉店に合わせるにはゴールが早朝となってしまう。

頭を抱えた結果、23時閉店までに到着し距離を延ばせば

銭湯オープン(10時)の頃合にゴールができるのではとなり

日中スタートで距離延長という結論に至った。


この京都一周と山科一周を繋げたルートは

以前から挑戦したいとの思いをずっと抱いていたのが

企画したのでやりましょう!と簡単にいく内容ではない。


それともう1つ。

「京一オリジナルートを14時間台で終えるペース」

このような要望もいただいていた。


スピードと距離延長が重なった未知なる挑戦に

面子がどんぴしゃしたこのタイミング。

逃す手はない。

内容を大幅に変更した旨を直前に伝えるも一切動揺せず

快く了承してくれた猛者がこ・い・つ・ら・だ!

京都一周トレイル「改」だけに「kai」さん降臨!

愛知の怪物と共に立ち向かうはシュピーレン陸上部!

そして!

企画者にも関わらず120%潰れるへなちょこw

この3人でたっぷりと堪能してきた。


2023年4月8日(土)~9日(日)

【メンバー】kai(カイガー)/シュピーレン陸上部/KATSU

【天候】曇り/暴風雨/晴れ

【ルート】京都一周トレイル 山科一周トレイル 共通

伏見稲荷P→上桂駅→松尾山→嵐山コンビニ→六丁峠→

槙ノ尾バス停自販機→沢ノ池→京見峠→向山→夜泣峠→

鞍馬駅自販機→薬王坂→江文峠→大原コンビニ→仰木峠→

水井山→横高山→ケーブル比叡駅→北白川別当コンビニ→

大文字山→如意ヶ岳→長等山→小関越→逢坂山→音羽山→

牛尾山→千頭岳→メガソーラー→横嶺峠→醍醐寺→大岩山→

稲荷山→伏見稲荷大社→伏見稲荷P

【距離】104.42km(Suunto9)

Garmin 98.86km/COROS 99.93km/YAMAP 99.2km

【時間】20:13'51"(全ての行動含む)

【累積上昇/下降高度】4273m / 4309m

Garmin 4948m/COROS 4796m/YAMAP 5502m

※距離は僅かではあるが3度のロスト含む。
※時間は観光地の牛歩を含む。


この挑戦を終えて、いや、道中から思っていたこと。

それは、スントやめて違うのが欲しい。

そうだガーミンかカロス買ってしまおう!

しかし7桁の数字を記した振込用紙が

大学から送られてきていたことを思い出した。

スントもっと頑張れや(#゚Д゚)ゴルァ!!

1人だけ104kmとか反対に恥ずかしいんだけど。

スタートから続く爆風、突然の暴風雨、気温低下、

吐き気の猛威、襲い来る睡魔など超絶過酷な状況。

限界。限界。限界を何度も繰り返しているはずなのに。

同時にとても充実した時間でもあったのだろう。

一瞬で過ぎ去っていくような感覚があった。

約66kmの大文字山頂までが12時間半ほど。

普段の京一ならゴールまで残り約13kmくらいとして

余裕を持って14時間台で終えることができるペースで進めた。


しかし毎度のことながら今回も胃がやられ吐き気との戦いとなり

まともに補給することができずに苦しみ続けることとなった。

以前であれば気温の高い夏場限定だったのだが

ここしばらくは季節気温関係なく胃がやられてしまう。

吐き気を我慢する作業、飲み込む作業に多くの力を奪われ

ペースダウンしてしまい大文字山で限界を迎え潰れた。

時間は真夜中の2時半頃。

真っ暗な山頂にいるのは3人のみ。

企画者として恥ずかしい限りだがヤマイチ突入を諦め

京一ルートのみで早々に終わるべきかと長考するも

この先を知りたい思いと2人の気持ちに心が動き続行を試みることに。


音羽山を登り始め程なくして空が明るくなり朝を迎える。

今回唯一僕が撮影できた1枚。

他の写真は全部シュピさんが撮影してくれた。

この先の千頭岳とメガソーラーを眺める2人。

何気に同じポーズでちょっと面白い感じの後姿だが

僕の目には憧れとして映っていた。


ヤマイチ後半に入る頃には強烈な睡魔との戦い。

蛇行しながら進み続ける。

横嶺峠では5分程寝たらいいと言われるほどに襲われていた。

ベンチに腰掛け目を閉じる。

眠りに入ることはないが脳に寝たと錯覚させる。

しかし横たわった木が黒猫に見えたりと幻覚を見る笑

それでも目を閉じていた僅かな時間は貴重なもので

醍醐のガレた下りを一気に駆け下りることができた。


残りはアップダウンが続くロードと稲荷山への裏階段。

このルートは最後の最後、稲荷山の頂上を踏むまでは

気を抜くことはできない鬼畜仕様。

しかも稲荷山山頂以降は観光客でごった返しているために

牛歩を余儀なくされ全く前に進むことができないが

外国人観光客が戻って来たいまは楽しみに置き換えて欲しい。

綺麗なパツキンの美女を惜しげもなく堪能できるからだ笑

おかげで胃も回復し王将で生中にラーメンセットでガッツリ補給。


補給内容

おにぎり2個・ミニチョコパン5個入り・カップうどん・ドーナツ小1個

ナッツ&ドライフルーツ・マグオン1個・肉まん半分弱と水分

suunto計測消費カロリー約7300kcal

肉まんは暖かく柔らかいので食べれるかと思ったが無理だった。

ミニチョコパンは水分で柔らかくして流し込む。

あとはひたすらナッツを少量ずつ噛み砕き必死に飲み込む作業。


2人が化け物なので比べること自体が間違っているのかもしれないが

改めて自身の弱さを認めざるを得ないくらいに力の差があった。

どれほどかと言うと、

トレイルのレースにエントリーすることは控えようと思うくらい笑

適性というものもあるのだろうけど。


こんなへなちょこでも

苦しさ辛さに押し潰され負けて逃げる直前だとしても

0.1%でも気持ちが残っている限り諦めなければ可能性はある。

1歩でも進めばゴールは確実に近づいてくるから。

もちろん2人の支えがあったからこそだが。

次の日、車を走らせながら周った山々を眺める。

ゴールしてからまだ24時間も経過していない。

現実と非現実の狭間にいるような感覚が心地良かった。


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