<レポ完>比叡山International Trail Run2019

滝寺に到着して湧き水を何度も頭からぶっ掛けて全身を冷やす。

いつもならお腹の冷えを恐れたり、シューズが濡れることを嫌いますが

この時はそんなことすら後回しになるほどの発熱量でした。


水浴びしてトイレを借りて、もう1度水を浴びる!

スタッフの方が笑っていましたね(笑)

だって走り出すと速攻で乾いて塩の塊と化してしまうから。


階段を下りたところがエイドになっているので水分を満タンにしてもらう。

ここでもちゃんと補給をしていたと思うけど少し量が減っていたかも。

途中でジェルの投入はしているが胃に不安が出始めていたのだろうか。

どこかで2度目の陀羅尼助を服用しているみたい。※多分、水井山~仰木峠付近

それと同時にさしこみ用の痛み止めも服用しているので痛みもあったのかも。


このエイドでは後からきた数人のランナーがリタイアを告げていました。

しかしこのエイドではリタイアは不可能ならしくて

11km先のエイドまで行かなければダメとのこと。

ギリギリ限界の状態だからこそリタイアを宣言されたと思うのに、

まだ11km先って地獄過ぎるなと話しを聞いているのが怖くなったので

なにも聞かなかったことにしてエイドを後にしました(汗)


滝寺のエイドを出るとロードの下りを少しだけ進みます。

そして、またまた、悶絶もののコースが現れます!

ロードのエグイ上りの開始。

ここは試走よりも以前に

奥比叡・仰木棚田トレイルランの大会で走っていますので

3度目となり重々承知しているのですが、

対策なんてできませんので8割歩きです(笑)

でも、僅かですが緩やかな区間が何度かありますのでそこは走ります。


ここは3人程しかランナーにも会わずほぼ単独。

上りが少し緩やかに変わってる場所では、

ほんのちょっとだけ踏ん張ろうと言い聞かせます。

ほら、歩き続けた自分より数メートル前の位置にいる。

ほんの僅か数メートルだけど、弱い自分に勝った瞬間。

ほんの僅か数メートルだけど、さっきより強くなった証拠。

それを繰り返す。

最後にはそれが何秒・何分・何十分の差になり大きな距離となっていく。


そして、確実に早く終われる(笑)


この上り区間では持参していたトレイルミックスをポリポリ食べていました。

飲み込んだ瞬間に気がつくんですよ、胃がやられてきているって。

それでも食べないと走れないので食べるのですが

残りの陀羅尼助はザックの中にある予備が1袋しかありませんので

ロードにいる今のうちにザックを降ろして取り出しておきます。

まだ残りの距離は14km近くある感じでしょうか。

この時点ではギリギリ持ち堪えてくれると思っていたのですが。


ロードの下りに入ると左手に滋賀の町並みと

琵琶湖が見える短い区間がでてきます。

高い場所なので風も少し吹いており気持ち良く走ることができ・・・

ませんでした!残念!

長時間ロードを移動していると左の足底筋膜炎が激しく痛みます。

それはまるで足の裏に剣山が刺さっているかのような痛みです。


第3エイドの仰木エイドでもやるべきことは同じこと。

じゃぶじゃぶに頭から水を被り水分と塩分を補給してフルーツを食す。

ここではレモンを甘く漬け込んだものが置いてありました。

夏場とか運動部の人が食べるようなやつでしょうかね。

それをいただきたいのですが本来は紙コップに入ってる、

あれはなんだろうか?紅茶?なんか飲み物に入れていただくらしく、

説明をしてもらったんだけど頭に入らなくて。

でも僕はそのまま口に放り込みたくてお願いして一掴みいただきました。

皮ごと食べたんだけどとても美味しかったです。


この仰木エイドの後が長いロードの下りになるのですがガチで長いです。

もう途中で走るのが嫌になるくらいに(笑)

トレイルじゃないから衝撃もそこそこあるわけで。

もうこの辺りになると登りでも下りでも全部しんどい(汗)

壊れた無表情なアンドロイドが

同じ動きをただ繰り返しているかのように惰性で下り続ける。


下りきったエイドでもばしゃばしゃ水を被り冷えたコーラをいただいた。

そして下りで長時間シャッフルされ続けた胃の不快感を消すために

大事な最後の陀羅尼助投入。


ついでに最後のマグオン ラ・フランス(カフェイン入り)でチャージ!

一気に口の中に流し込む!!

抵抗して・・・の、飲み込めない。逆噴射寸前!(笑)


トレイルの登りに入って少し進むと徐々に脚に力が入り始める。

マグオンのカフェインのおかげなのか、他の作用なのか、

分からないけれど長いレースになると浮き沈みが何度かありますよね。

元三大師堂の辺りが長めの激烈な上り階段になっています。

試走の時にはこっそり1人で泣いていた場所(笑)

何度も立ち止まって脚が動かずゆっくりでしか進むことができなかったけど

大会中は途中で1度呼吸を整えただけで休まずに上りきれました。


上ってからしばらく進むと第4エイドの横川駐車場があるのですが

優しい鏑木さんはあえて右手にルートをとり、

遠回りでトレイルの登りを走らせてくれるんですね。


第4エイドでもガンガン水を被り腕や脚にもかけてもらって冷却作業。

後ろでスタッフの方が「あれは、完全にオーバーヒート状態やな」と

苦笑いされていました(笑)


ここでは塩気の強い麦茶を2杯いただき

コーラをマイカップに入れて走りながら飲みました。

補給は僅かしかできず。

残り6km程度と言えど最後に急登が待ち受けているので

僅かでもチャージしておきたかったのですが

どうしても胃が気持ち悪く吐き気もあって

薬も無いので根性で乗り切るしか術はなかったです。


ここから林道を約4km下り続けてラスト2kmの急登を経てゴール。


胃のムカつきを我慢しながら下っていると

この最後の最後で強烈なさしこみがやってきた。


もう薬は残っておらず1歩踏み出す度に胃の吐き気と

さしこみの強烈な痛みが同時に襲ってきます。

それでも今更止まって歩くわけにはいかない。

ここで走り続けないと今までの苦労が全て台無しになってしまいますし

時間的にも現状で9時間ぎりぎりなので歩くわけにもいかず。


下りきるまで残り2km。


ペースも落ちだして数人に抜かれて。


キツイし、痛いし、気持ち悪くて、吐きそうで、

走りながらいつリバースしてもおかしくないくらい。


なんとか下りきってあとはたったの2km。

だがこの残り2kmはバーティカルレースみたいなもの。


登りに足を踏み入れた瞬間にいつもの状態に。

見る見る心が弱くなり、脚が重くて動かなくなっていく。

何でこんな苦しい思いをしてるんだろう。

一瞬いつものように自問自答が始まりかけたが今回は違った。


何のためになんてそんなの決まっている。


大きな目標ができたから。


その目標に近づくためには、

こんなたった2kmの登りに負けるわけにはいかない。

これくらい余裕で登って笑顔でゴールしておかないと。


気合いを入れなおし脚に力を込めて、前を見る。

このトレイルを登りきるまでは絶対に止まらないと決めた。


500mほど進んだところでザックの中でスマホが鳴った。


マジかぁ~やられた!

やっぱすげぇ~わ!


そう、スマホを確認しなくても分かった。

シュピさんがゴールされた。

きっと僕が最後のトレイルに入ったくらいだろう。


正直その瞬間はやられた~!って思ったけど

悔しさよりもなんかすごく嬉しくて。

シュピさんは速かったしやっぱすげぇかっこええわって。

いつの間にか顔がにやけて元気がでて心が軽くなっていましたね。

これはなんとしてもシュピさんと同じ8時間台でゴールしたいと。

例え残り1秒でもいいからと思いました。


トレイルを登りきったらラスト1km。

その1kmも壁のようなロードの急登。

最後の最後までエグイ大会です。


それでも、帰ってきた。


途中で何人ものランナーが潰れ、座り込み、リタイアしている姿を横に。


耐えて、耐えて、ひたすら耐えて。


己の限界を超えてゴールに辿り着きました。


ゴールラインを越えて完走証を受け取りタイムを確認。


「8時間49分27秒」


決して速いタイムじゃないけれど。

その瞬間、僕は自分に合格点をあげました。


現状の持てる力を全て出しきったレースだったと思います。

この大会に携わった全ての皆様に、

応援いただいた皆さんに心から感謝します。


そして改めてシュピさん・MKさんには大変お世話になりました。

MKさんに試走に連れていただき、たくさんのことを教わっていなければ

例えゴール地点に帰ってこれたとしても制限時間の後だったかもしれません。

本当にありがとうございました。


比叡山International Trail Run2019 50km男子 

8時間49分27秒 61位/617人中(完走者286人) 完走率約46%


最後になりましたが、

こんな長い長い文章を耐えて読んでいただいた方に

心からのありがとうございます。



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