<レポ2>比叡山International Trail Run2019

トレイルを抜けてロードに下りると一気に気温が上がり

頭上からの熱の強さにロードの僅かな上りもかなり堪えました。

そして苦手な登りの前に立ちはだかるのは、日吉東照宮の急階段!

ここはかなりハードです。

初めて訪れた時には「何の嫌がらせやねん!」と思いました(笑)

しか~し、大会当日のここは応援が本当に凄かったんですね。

だらだら上れる雰囲気じゃなかったので一気に上りました!


上り終えると右方向へ入り比叡山高校のグラウンドに向けて

ロードを上って行くのですが途中に私設エイドがありまして、

着物姿の美女軍団が現れたではありませんか♪


そこでレッドブルをいただきパワーを注入してもらいます。

「43万円ですぅ~♪」とぼったくりバー並みの金額を請求されましたが

財布を取りに1周してくるからとツケにしてもらいましたw


「疲れているのにわざわざツッコミすいませんテヘ」と着物美女。

僕も男の子です!彼女のために歩かずに走って上って行きましたよ。

女の子のためなら上りも苦になりません♪


さぁ、いよいよこの後を左右すると言っても過言ではない

超絶苦手な登りまでやってきました。

ゆっくりでも何度立ち止まっても負けずに進む以外に選択はありません。

気合いを入れて、まずは!

比叡山高校のトイレをお借りしました(笑)

おしっこして、水道で顔を洗い、頭から水を被ってすっきり。


よっしゃ!やっつけてやるぜ!!!


勢い良く走ってトレイルに突入をかましてやりましたよ!


数秒後

一瞬で脚が止まり進めませんでした。


な、なんてハートの弱い男なんだ・・・(汗)


急に脚が重くなり、

今までの1歩の距離に2~3歩かかり直ぐに立ち止まる。


数メートルで泣かされた。


大丈夫。

力がないわけじゃない。

心が弱いだけ。

弱い心に勝てたら登れる。


試走の時にみやぎさんが言ってました。

体力筋力はあるはずだって。

登り方の問題、筋肉の使い方の問題だって。


試走の次に行ったS君との比叡山でも何度も試行錯誤して登った。

骨盤の動き、お尻の筋肉の使い方、脚の出し方、力の入れ方など。


自分の体を信じて、しっかりと力を込めて1歩を踏み出しました。


やっぱり直ぐにキツくなったけれどそれは心がキツイだけ。

他のランナーよりは遥かに遅いペースだけど脚は動いている。

何人にも何人にも道を譲り、何度も何度も立ち止まって

呼吸を整えて気合いを入れて。

僕の中で今までで1番速く1番力強く登りきったと思います。


ケーブル延暦寺に到着して最初に目に入ったのはY子さんの姿。

思わず嘆きをもらしてしまいましたがで同時に気が付いたことは

まだまだ笑顔で会話ができるくらいに体力が残っているって。

前半でぶっ潰れてリタイアを考えた試走の時とは大違いだって。

第2エイドの根本中堂(約20kmスタート地点付近)まで残り僅か。

既にヘロヘロだけど後半コースに突入すること以外は考えていませんでした。


スタート前はあんなにも不安だったのに

既に20km近くも走り終え残りは30kmちょっとです。

大丈夫、大丈夫と言い聞かせながらスタート地点を通過していました。


実は、ここで、なんと。


僕が根本中堂のエイドにINしたのとシュピさんがOUTしたのが同時刻。

自分に集中していた僕はすれ違ったことに一切気が付きませんでした。

シュピさんは気付き「フェニーックス!」の掛け声をいただいていたようで。


まさか、必死で追いかけていた背中が直ぐそこにあったとは。

だからと言って追い付けませんよ!絶対に。

後半のタイムを見ても一目瞭然で更に大きく差が開いておりますので。


もし、すれ違った時に気が付いていたら?


これは気が付かなくて幸いだったと思います。

気付いていたらきっと自分の力量を勘違いして慌ててスタートし

全力で追いかけて100%途中で潰れてしまっていたでしょう。


根本中堂のエイドでは後半のことを考えてしっかりと補給をして

少し時間をかけてでも回復をはかることにしました。

ここでは蕎麦やうどんなどがあり当初は食べるつもりでしたが

思案した結果、バナナとオレンジと塩分・水分の補給にしておきました。

そして陀羅尼助を服用して胃のむかつき吐き気の予防をしておきます。

根本中堂のエイドを後にしてスタート地点のゲートを潜ります。

そしてスタート時と同じコースを少し辿ってから後半のコースへ。


ここからしばらくは京都トレイルのコースを走ることになるので

知った場所だということもあり気持ちも楽でしたね。


最初は少しアップダウンして横高山の登りに入る地蔵までを

一気に下っていく感じになっていたように思います。


根本中堂を出た時に再スタートのつもりで気持ちを入れ替えていますので

疲れているわりには順調に下って行くことができたんじゃないかなと。


地蔵からはこのコースでも最大の難所である横高山への急登。

その手前に川があることは試走の時に確認していましたので

頭から水を被り、顔を洗い、太腿を冷やして覚悟を決めます。


ここは、もう、ただただ登り。


ひたすら終わりの見えない登りをぐねぐね進み続けるだけ。


そら、もぅ~地獄だ。


泣き言もなんにも一切通用しない。


周りもひたすら耐えて無言で登り続けています。


ここは試走していなかったら確実に潰れていたと思います。


試走の時に「横高山○番」と看板があることに気が付きました。

そして、京都トレイルと重なるせりあい地蔵まで何番あるかのかを

確認していましたので看板1つ1つを目標に進みます。


ここでも何人かのランナーに追い付かれ道を譲ります。

悔しいですが、これは自分自身との戦いなんだと

何度も言い聞かせて登り続けました。


やっとのことで辿り着いたせりあい地蔵の手前では

小さな可愛い女の子に霧吹きでシュッシュッとしてもらえたんですよ。

自然と笑顔もこぼれ一瞬苦しみから解放されます。

このエイドでも基本的に補給内容は同じですが麦茶があるとのことで

麦茶を山盛り2杯いただき心身共に気分転換をはかりました。


ここのエイドはスペース的に狭いこともあり、かなりの混雑具合。

しかも難所の横高山の急登を長い時間進んできた直後です。

ゆらゆらとした熱気が見て取れるくらいにその一体に漂っているようで、

生気のない目をしたランナーが何人も崩れて落ちているって感じでした。

そんな崩れているランナーたちを後に頂上を目指して登りに入ります。


横高山のピークまでは後わずかですが

一気に斜度が上がり壁に近い状態になります。

1歩1歩マイペースで確実に進んではいくものの

やはり周りのランナーよりも登るスピードがあきらかに遅い。

後ろを振り返ると座り込んでいたはずのランナーが迫ってきています。

なんて自分はノロマなんだろうと改めて思い知らされましたね。


その分、エイドでの滞在時間を減らしたり

下りでスピードを上げたりと工夫しているつもりなのですが

こうもあっさりと登りで追い付かれると凹みますよ。


やっとのことで横高山のピークに着いても

直ぐに水井山のピークを目指さないといけません。

それでもこのコースは皆と何度も走っていますし

3月には単独でも来ていましたので進み続けることができました。

水井山からは仰木峠まで下ってから

京都トレイルを外れて大尾山の方へと向います。

結構ふらふらになっていて記憶が曖昧な箇所ですが

もうこの辺りになると抜いたり抜かれたりは同じランナーばかりです。

登りが得意か下りが得意かの違いだけで総合的には似た感じ。


ずっと前に抜かれたランナーに追い付き。

ずっと前に抜いたランナーに追い付かれの繰り返し。


それよりも限界が近付き進むことがかなり困難になってきました。

ちょっとした登りでも妥協して歩いてしまいます。

できることならその場にしゃがみこんで休憩に入りたい。

歩いているだけでも呼吸が整わなくなって脚を前に動かすことすらキツくて。


でも、そんな時に頭の中で聞こえるのは

「ここは走るとこやな。」

「ここも走れるな。」

「ここは走っとかなもったいないわ。」

「ここは我慢して走っておいた方がいいで。」

「KATSUさん、ここは走らな!」


いつもどこに行っても僕を励ましてくれるMKさんの声。

でもさ、全部・全部「走れ」やんw


仕方ないので頑張りましたよw


この後はちょっと思い出せなくて確かしばらく単独だったような。

どうなったのか登りも止まることなくスピードを上げてどんどん進み、

下りもフルスピードに近い状態で飛ばしていたように思います。


はっきりと思い出せるのは滝寺へ下っている途中で

突然大きな笛の音がしてすっごい驚いたんですね。

スタッフさんが応援で吹いてくれたんでしょうけど。

その瞬間に目の前の景色が、ぱっ!と広がって色が付いたような感じ。


凄く集中していたのか、限界超えて意識が飛んでしまってたのか(笑)

でも今から考えるとこの区間は最高に気持ちが良かった記憶です。


<レポ1>比叡山International Trail Run2019


<レポ完>比叡山International Trail Run2019

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