妖精の森(高島朽木)一周トレイル②

 さて、妖精の森(高島朽木)一周トレイルの続きです。


朽木栃生にてしっかりと補給及びヤマビル駆除を済ませ

後半ルートへ足を踏み入れます。

まず最初の目的地は923mのイクワタ峠。

簡単に923mと書いておりますが標高を230mほどまで

下げてきておりますのでそこから一気に登っていきます。


そう、まるで山中温泉トレイル。

下りはなし。


ゆっくりではありますが一歩一歩確実に登っていきます。

まだまだ登りが苦手でシュピさんたちに比べると

かなりのスローペースですが最近はなんとか止まらずに

進み続けることができるようになってきました。

でも心の中ではこっそりと泣いていますよ(笑)

この後半の山でももちろんある程度の標高までは

「vsヤマビル軍団」の続きです。


もうこの辺りになるとビビることはあまりないですね。

怒りの方が大きくなっていますので喰らい付いているヤマビルを

引張って剥がし悪態をつきます。


しかし相手も中々なものでこの日唯一の獲物です。

アルコールたっぷりの脂が染み込んだ濃厚血液を狙ってきます。


踝に喰らい付いていたのを引張って剥がすと

なんと!そのまま指に喰らい付いてきたました。


なんという根性でしょうか。

これが人間と同サイズであれば一瞬にして命を絶たれてしまいます。

この世で人間ほど脆弱な生き物は存在しません。

ヤマビルの攻撃が済んだ後も

ひたすら登り続けていきイクワタ峠手前にある開けた場所へ。

晴れた日であれば最高の景色が見渡せたのではないでしょうか。

でも、靄しか見えないこの景色も全力で登ってきた僕たちにとっては

ご褒美かと思えるほどの最高の景色に映っていました。

この開けた場所から少し登った所が

後半の最高地点であるイクワタ峠となります。


イクワタ峠以降は笹峠、地蔵山789.5m、地蔵峠770m

横谷峠644mと少しずつ標高を下げていきます。

最終的には蛇谷ヶ峰901.5mまで上げていかなければいけないので

下がって行くのは嫌なんですけどね(笑)

雨の方は相変わらず激しいものでかなりの降水量かと思われましたが

木々に囲まれた山中にいる僕たちにはあまり関係ないものでした。


いつまでも続く幻想的な山の中では所々踏み跡が分かり辛く

ルートを外れそうになりはするもののチェックを怠らなければ

大きくロストすることはないと思います。


が、気持ち良く進めるのを良いことに身を任せ油断すると

とんでもないことになりますので少しでも不安を感じれば

必ず立ち止まり確認をしましょう。

横谷峠からは荒谷峠701m、ボボフダ峠656mと順調に進みまして。

ボボフダ峠移を過ぎると確か走れる区間があったと思います。

滝谷ノ頭702mを目標に走っておりましたが

気がつけば既に過ぎており最後の難関蛇谷ヶ峰901.5mに

かなり近い場所にいました。


イクワタ峠以降は比良山系の縦走をした時に

2度ほど通っておりますので安心感がありはするものの

荒れた天候では違った風景に見えるものですね。

蛇谷ヶ峰のピークに達した時はやりきった感と安堵感で

本当に嬉しかったです。

「じゃたにがみね」と言いたいシュピさんですが

何度挑戦しても結局言えなかった可愛いシュピさんの舞い♪

後はくつき温泉てんくうを目指して数キロを下るだけですが

この最後の下りも一筋縄ではいかず。


まずガレガレの足場。

ひたすら続く不揃いの階段。

川下りのような水量での下り。

粘土質で立っているだけでも

滑ってしまうほどのズルズル地質。


1度走り出すと簡単には止まれない。

走って下っているのか滑り落ちているのか分からないほど。


ここでも歓喜とも狂気ともとれる奇声を発しながら滑り下るおっさん×2。


誰もいない日で良かった(笑)


グリーンパーク想い出の森の敷地内が見え始め

いよいよ終わりを告げるかと思われた時に

左の踝付近で痛みを感じました。


えぇ、

瞬時に理解しましたよ。


奴が喰らい付いていると。


最後の最後までヤマビルに喰われ続けた濃厚な7時間半。

ヤマビルに始まりヤマビルで終わる。


タダで血を吸いたいんやったら痛みや痒みを残さないように

静かに吸えばいいと思うで。

それでは頑張ったご褒美に冷え切った体を温泉で温めましょう!

とは簡単にいかないものですね。


こうして山の中で遊んでいるとはいえ

世の中はまだまだコロナ禍でピリピリした状況であります。

人が集まる場所ではいまや検温はあたりまえ。


7時間半も豪雨にさらされたおっさん二人の体は冷え切った状態。

何度繰り返しても体温計のセンサーが反応してくれず

やっと反応したと思ったら驚愕の低体温に泣きそうになる受付嬢。


すまんかった!w


ってなことで無事に山遊びを終えることができましたが

山中ではヤマビルや天候だけではなく

他にも最大の警戒をしながら進んでおりました。


実はこのように木の皮が剥がされた跡が大量にあります。

これは熊によるもので周り一帯がこのような状態の場所もありました。

この熊の皮剥ぎ行為により木が枯れてしまうことがあるそうで

その対策として木の幹に紐を巻き付けるとのこと。


見渡す限り紐を巻き付けた木の場所も何箇所かありました。

つまり熊の生息地のど真ん中だったってことですかね。


僕は実際にある場所で熊に遭遇したことがありまして

熊は唸り声を上げこちらに突進して来ました。


あの唸り声と息遣い。

突進してくる時に荒々しく踏みつける足音。

数年経ったいまでも記憶が薄れることはなく鮮明に覚えております。


出来る限りの対策をしていても人間が敵う相手ではないです。

これからの季節。気をつけていきましょう。


以上


妖精の森(高島朽木)一周トレイル①


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