更なる老い

先日、身内がこちらに来ていたので

久し振りに集まって外食することとなったのだが

日中はそれぞれに別の用事があったため

夕方、京都駅で集合することとなった。

最寄の駅に向かう途中で連絡が入る。

「〇〇、彼氏と一緒みたいで挨拶するって」

それに対して特に驚きもなかったのだが

そのままスルーするわけにはいかないと思い

「ほほー」とだけ返信しておいた。

いままでにも書いたことがあるが一応パパなもんで。

※「老いた経緯」参照

ある程度は予想もできているし頃合の下準備など

少し前から全体を操作している本人なんだわ。

全く、こんなステキな親父がどこにいるってんだ。

電車に乗り、自身の過去を思い出す。

・ ・ ・ ・ ・

全く参考にならなんだｗ

仕方がないので想像してみる。

挨拶をされ「父親です」とこたえる。

・ ・ ・ ・ ・

次は？

もし自分がその立場だったら。

・ ・ ・ ・ ・

終わりじゃねぇかｗ

そんなことを考えていると京都駅に着いていた。

いつもならもっと時間がかかるはずなんだけど。

パパに会わせるなんて怖くてできない。

想像しただけでも倒れそうになる。

絶対にきつい態度をとるだろうと言うのだ。

いったいパパをどんな人間だと思っているんだ。

そんなことを言っている娘に以前こんな話をした。

なにもこっちが相手を気に入る気に入らないだけじゃない。

相手にもこっちを気に入る気に入らないの選択権がある。

例えこっちが気に入ったとしても

相手がこの父親は全く持って無理となるかもしれない。

なんにせよタイミングがあれば

双方早めに相手を知っておくにこしたことはない。

それにまだこの先どうなるかも分からないわけで。

ホームに降りると背筋を伸ばして歩いた。

改札を出ると階段があり一歩踏み出した瞬間

意識は脚へといき踵を浮かせて1段1段鍛えながら進む。

まだまだスピードを出して走れる状態ではない感じ。

膝の具合も少し良くないので無理はできない。

残りの日数を考えても年が明けたらまた突貫練習になる。

もっと走る時間が欲しい。

・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・しまった

既に待ち合わせ場所が目前に。

人混みの中に身内の姿が見えている。

まだ娘と相手の姿はとらえてないけれど。

まずは、

前方から視線をはずし左方向を見てみる。

ほほーこの階段は展望台へ行けるのか。

意味のないことを考えてみたりする。

さてさて、どうするかな。

目の前に立った瞬間

こちらを真っ直ぐに見て

深々と頭を下げ挨拶

しっかりと名前も言えて

丁寧な言葉で

雰囲気も悪くなく

常識があることが伝わってきた。

その間、娘は後ろに隠れて顔すら出さなかったけど。

反応が怖くあり得ないほどに緊張していたらしい。

もっと自分のパパを信じなさい。

挨拶を終えてお別れした後は身内で外食。

美味しい料理に美味しいお酒。

たくさん飲み食いしてきた。

そして帰路につき気がついた。

お酒のせいで名前を失念。

飲むまでは確実に覚えていたのに。

老いたな。

あれからずっと思い出そうと考えている。

考えて考えて考えまくったいまとなっては

たくさんの名字とたくさんの名前がでてきてしまい

もう誰の誰なのか分からない名前でしかでない。

まぁ次会うまでにはなんとかするさ。

翌日、娘と少しお話をして伝えた。

パパはあなたをちゃんと育てていたんだなって。

つまりはそういうことだ。

あくまで第一印象だけどな。

ずっと僕の横にべったりだったのに。

気がつけばしっかりしてきたものだ。

そら老いるわ。