第20回村岡ダブルフルウルトラランニング<3>

蘇武岳に入り右膝に痛みがでてからの続きです。

ひとまず走ることは諦め次のエイドを目指す。

まだ痛み止めを飲めば走れるかもしれないから。

何とかエイドに辿り着き痛み止め飲んで効いてくるまで歩く作戦。


そろそろか?と走り出すも変わらぬ激痛で歩く。

同じことを繰り返しまた次のエイドへ到着。

一瞬悩むもその思いは消し去って歩き続ける。

以下エンドレス・・・


実は今後に支障を来すようなことが起きれば

即リタイヤすることと決めていました。

いたんですが・・・

右膝以外は全く問題ないんですね。

内臓も元気。

体力もまだまだ残っている。

ってか気持ちはまだ全然折れていない。


右膝の痛みさえ消えてくれたら

何があっても絶対に走りきるからって。

何度も何度もお祈りまでして。


でも全然消えてくれない。

反対にどんどん増していく。

ひたすら歩きながら葛藤を続ける。

来月からのハーフやフルに影響が出るに違いないが・・・

決断できずまた次のエイドまで歩く。

それを15kmほど繰り返しました。


で、12時ちょうどに到着した関門のある64,9kmのエイドで

何分間か立ちすくんだまま悩んで悩んで・・・

意を決してリタイヤを申告しました。


と・こ・ろ・が・


関門まで2時間あるのでそれまでこの場に留まってくれとのこと。

そこに停まっている2台のバスは2時間は動いてくれないらしい。

そうなってくると話が変わってくるわけで。

リタイヤを申し出といて悪いが2時間もじっとしていられない。

2時間も歩けばそれなりに進めるよね?

どっちみち1度諦めたんだからどこかの関門に引っかかるまで進むもう。

となりまして「歩いて進みます」と告げリスタート(笑)


リスタートしたのはいいがコースは下りに入っており衝撃が辛い。

周りは待ちに待った下りにガンガン飛ばして走って行くわけ。

自分1人だけが下りで歩いてて情けないやら何やら。


我慢できずに走るも200mも進まないうちに限界。

もうね、一層のことぶっ壊れてくれないかな~なんて思った。

壊れて麻痺してしまえば今よりは走れるんじゃない?て。

その時は本当にそう思って歩き続けていた。


70km前後だったかな。

1人のランナーが抜いて行ったのよ。

もう散々抜かれまくってるから特に気にすることもなかったけど

何となく無意識に頭を上げて背中を見たら

「男山階段」って文字が飛び込んできた。

そして足元を見ればワラーチ。

思考停止前の脳みそをフルに動かして考える。

頻繁に見聞きする「男山階段」の文字・・・

酒猿組?

ワラーチ?

酒猿組さんには何人か知り合いがいる。

ワラーチは誰だ?

なんか見たことある雰囲気ではある。


!!!!!


直接はお話ししたことないし向こうは僕のことを知らないけど

1度神戸で見たことがあるから知っている。

酒猿組のかんちゃん!


この時は何か分かんないけど

追い付いて声かけな!って衝動に駆られて

痛みを全力で無視して必死で追いかけ声をかけました(笑)


残り約30km。


声かけても嫌な顔1つせず対応してくれた。

自己紹介して少しずつお話しして

お互い共通の知人が何人かいるので話始めれば早い。

一緒に走ることで気が紛れ痛みから少し解放されている。


ワラーチで走り続けているかんちゃんは

かなりの激痛があったようで特に下りは地獄だったみたい。

時折苦痛の顔を浮かべるがそれでも前を向いて走り続ける姿を見て

膝1つでリタイヤをしようと思っていた自分が恥ずかしくなった。


走りながらたくさんの話をした。

ランのことから友達のことやプライベートなことまで。

お互い顔を苦痛で歪めながらも凄く楽しかった。


長楽寺では大仏さんのあまりのデカさに痛みを忘れ二人で感動。

※写真はかずさんからいただきました。


1km走るごとに残り何km!

次はあの電柱まで頑張ろう!

残りハーフの距離!

あの坂の手前まで行こう!

12時間切ってゴールしよう!

次のエイドまで耐えよう!


走れない急な坂以外は超スローペースでもいいから走った。

もうね、僕の中では同志だったね。


いや、ちゃうな。

何か格好つけていいように書いてるけど

実際はかんちゃんがリードしてくれて僕は支えてもらっただけ。

それと途中でランランのT中さんが追いついてこられて

あの満面の笑顔で「大丈夫!行ける!」って励ましてもらったり。

力強く走り去っていく背中を見て元気をいただいたり。


その他のこともたくさんたくさん

周りに支えてもらっていることに改めて気付かされた。


少し話がそれたけど。


限界超えても必死で動き続けるおっさん2人って何かええやん(笑)


そんな2人だったんだけど

ラストの激坂の一二(ほい)峠がどれだか分からんのだわw

坂が出てくるたんびにこれが一二峠や!って。

下りになればやっと上りきった!って。

でもまた上りがあるねん。

いつまで続くねん一二峠!ってかどこやねん(笑)

気が付けば残り一桁まで進んでいた。

絶対にあり得ないと思っていたのに残りは普段のジョグの距離。

もうあと少し踏ん張れば一緒にゴールができるって思ってたのに

本当に自分の弱さというか情けなさというか

自身に幻滅した。


>>第20回村岡ダブルフルウルトラランニング<4>

<<第20回村岡ダブルフルウルトラランニング<2>


コメント